捻挫がクセになりやすいとは?
「捻挫はクセになる」なんていう言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
しかしながら、これは噂話などではなく、実際によくある話です。
しかし、必ずクセになるという訳ではなく、捻挫後の対処によって起こる事がほとんどです。
今回はその足首の捻挫のクセになるというのはどういう事なのかを解説していきたいと思います。
そもそも捻挫とは?
そもそも捻挫とは、関節を捻るなど、関節に無理な動きが強いられた時に、その関節に付着する靭帯や関節包などを損傷した状態を指します。
ちなみに足首の捻挫で、最も多いのは前距腓靭帯という靭帯を損傷して起こる捻挫です。
今回はその前距腓靭帯の損傷について話していきます。
前距腓靭帯とは?
前距腓靭帯とは、足首の前方外側にある靭帯で、前方で距骨と腓骨を繋いでいる靭帯です。
この靭帯を傷めると、足首の前側に不安定さが出ます。つまり緩くなるという事です。
足首が緩いとは?
この場合、足首が緩くなるというのは、上図のように距骨が前方に移動しやすくなるという事で、内反方向に足首が動きやすくなってしまうという事になります。
内反方向というのは、下の写真のように足が内側に向く方向です。
捻挫をして、緩くなっている足首はこの方向に足首が向きやすくなっています。
というのは、例えば、足を前に投げ出して座っているとします。通常だったら、左右で同じ方向を向いている足が、捻挫がクセになっている足は内側を向いている事がよくあります。
つまり、自分では真っ直ぐ前を向いていると思っている足が、ちょっと内側を向いているという事です。
そうなると、例えば、バスケットをしていて普通に練習をしていただけなのに、真っ直ぐ足をついたつもりが、足が少し内反方向に向いていて捻挫してしまったという事が起こります。このような事は疲れてくると特に起こりやすいようです。
どうしたら、捻挫はクセにならないのか?
それは、受傷後できるだけ早くから安静にして、必要な固定をして、ある程度靭帯の強度が出るまでそれを継続するという事が大事になります。
足首の捻挫は場合によっては、運動を継続する事ができる為、多少の痛みがあっても医療機関を受診することなく放置している人もいるようですが、そのように適切な治療を行わない事で捻挫はクセになります。
捻挫の場合は要するに傷めた靭帯が、傷めた状態で動かされる事で、伸びた状態で治ってしまうようなイメージです。
だから、捻挫の後は無理に動く事は推奨できないのです。
下に図を示しておきます。切れた断端がくっついていないとその分伸びてしまう形になります。
捻挫はクセになったら治らないのか?
残念ながら、緩くなって治ってしまった靭帯を締めるような事は手術以外では難しいとされています。
しかしながら、捻挫の癖を治すという事だけであれば、足首のトレーニングや捻挫予防のテーピングで捻挫しないようにする事ができると思います。
もし、捻挫でお困りであれば、お気軽にご相談ください。