サッカーで膝が痛い(オスグッド、オスグット)
今回はサッカーで膝が痛いという小学生の男の子についてです。
痛くなった当日は、普通にサッカーをしていて、特に捻ったりしたわけでもなく痛くなったそうです。
その後もサッカーは続けていましたが、1週間も経たない内に痛みが強くなり、サッカーを休んで来院されました。
症状
本人からの聴取では、走ると膝が痛い、階段や段差の登り降りで膝が痛いという事でした。
痛いところは膝下です。
痛みの原因
今回の痛みの原因は冒頭で触れたようにいわゆる「オスグッド(オスグット)」です。
他にも「オスグッド・シュラッター氏病」「脛骨粗面骨端症」などと呼ばれたりもします。
オスグッドとは
オスグッドとは、成長期に脚を酷使する事で起こる膝の痛みで、膝下の骨(脛骨粗面部)の炎症になります。
最大の特徴として、痛いのは「膝下」であり、膝下の骨が出っ張っているところが痛みます。そしてそこを押すと痛みます。
この場所は、前ももの筋肉(大腿四頭筋)が付着する場所で、前ももに力が入る事や膝を深く曲げて前ももが伸びると患部が引っ張られて痛みます。
ですので、代表的な症状として走る・ジャンプ・階段・しゃがむなどで痛みが出ます。
オスグッドが成長期に発症する理由は、成長期はまだ骨が柔らかい為、骨が前ももの力に耐えられない事にあります。
子供の骨が柔らかい事については「知ると深まる5つの子供の骨の特徴」に書いていますので気になる方は読んでみてください。
治療
電気療法・アイシング
炎症に対してマイクロカレントという炎症抑制効果がある電気とアイシング、アイシングの指導を行いました。
アイシングの方法や氷袋の作り方については最後まで患部をしっかり冷やす氷袋の作り方に書きましたので、一度確認しておいてください。
リハビリ・ストレッチ
初回は炎症症状がはっきりとあり、患部のストレッチは痛みを伴う為行いませんでした。しかしながら、もも裏(ハムストリングス)の筋肉に硬化が見られ、膝・股関節の動きが制限されていたので、もも裏の筋肉のストレッチを指導しました。
その後、炎症が引いてきてから、前もも(大腿四頭筋)のストレッチを指導しました。
テーピング・サポーター
今回の場合は、膝の捻れが痛みに大きく影響していたので、その捻れを矯正するテーピングを初回から常時してもらいました。
サッカー時は膝下の大腿四頭筋腱を押さえるテーピングを追加するように指導しました。
手技療法
膝の捻れの矯正、股関節の可動域改善、ももから膝の筋膜リリースを行いました。
治療期間
初回から10日前後で、サッカーの試合に復帰し大きな問題なく症状の悪化もなく、痛み、炎症共に改善しました。
オスグッドは治らないのか?
オスグッドは長期化したり、再発することがよくあります。病院にかかると長期の運動休止を告げられる事もあると思います。
成長期だからしょうがないという事もありますが、今回のように「膝の捻れ」など、成長期以外の原因がある事がほとんどだと思います。
「扁平足のデメリットとインソールの効果」でも書きましたが、扁平足が膝の捻れの原因になる事もあります。
これが改善されないことが、痛みを長期化させる事に繋がります。
運動の制限は炎症を早く抑える為には大事ですが、必ずしも完全休止が必要ではないと私は思います。
成長期以外の原因が改善されれば、運動をしながらでも改善する事は可能であると思います。
オスグッドでお困りの方、お気軽にご相談ください。