骨端軟骨板は子供の証?
今回は、子供に比較的多い骨折から少し話を広げて骨端軟骨板、いわゆる成長軟骨や骨端線と呼ばれるものについてお話したいと思います。
レントゲンを撮った時に映る謎の線
お子様が例えばケガをして、骨が折れているかもしれないとなった時、一度は整形外科に行くことが多いと思います。
そうすると、そのケガで骨が折れているかどうかが一番重要なのですが、それとは別に骨に線が入っていて、これは骨折ではないのだろうかと思ったことはないでしょうか?
私は中学・高校と体操をしていて何回か骨折していました。当時、骨折は何回かしていたので、何回か目からは骨折するとレントゲン上の骨に線が入ると知っていました。
その為、ドクターの説明を聞く前にレントゲンをみて、ガッツリ太い線が入ってるのをみて「骨折している」と思ったことがありました。でも、ドクターから話を聞くと説明してくれた所と線が入っていたところは全く違うところでした。
軟骨部分はレントゲンに写らない
これは、14歳男性の手首周辺のレントゲン写真なのですが、手首の赤丸のところに白い線が入って、骨と骨が離れているように見えるのがわかりますでしょうか?
これが、骨端軟骨板。成長軟骨や骨端線とも呼ばれます。
れは、骨が離れているということではなく、この部分がまだ軟骨組織である為に、レントゲンには写らないのです。
それでは、大人の手首周辺のレントゲンを見てみましょう。
これは、66歳女性の手首周囲のレントゲン写真です。
骨端軟骨板(成長軟骨)とは
小児の骨の大きな特徴の一つです。
骨端線や成長軟骨とも呼ばれます。
骨の長さの成長を司る場所で、上述したようにレントゲンで見ると骨と骨の間が開いているように見えます。この部位で骨は成長し長くなります。
個人差はありますが、骨の成長はおおむね女性では15-16歳、男性では17-18歳までに完了する為、この骨が完了する時期に合わせて軟骨は骨に変わり、レントゲンで確認できる隙間のようなものはなくなります。これを骨端線の閉鎖と言い、骨の成長の終わりのサインになります。
その他にも子供の骨には、大人と異なる特徴がいくつかあります。その為に起こる特徴的なケガなどもあります。それらについて詳しくはこちらをご覧ください。→知ると深まる5つの子供の骨の特徴
骨端軟骨板の(成長軟骨)のケガ - 骨端線損傷 –
骨端軟骨板(成長軟骨)の損傷は骨端線損傷と言われます。
骨端軟骨板(成長軟骨)は言葉通り軟骨組織の為、他の骨組織の場所に比べると強度が劣り、外力に弱い部分になります。
その為、大人では骨折になるところが、子供では骨端線損傷となってしまうということがよくあります。
骨端軟骨板は骨の成長を司る部分になりますので、骨端線損傷では成長障害を残すことがあり、適切な診断と治療が必要になります。
また、骨がくっついた後も成長障害がでていないか定期的な経過観察を要することもあります。
もし、お子様がケガをしてしまって骨端線損傷だったなんて時には、きちんと医療機関にかかって、治療に専念しましょう。
後遺症を残さない為に知っておきたい、骨端線損傷についてもっと詳しく知りたい方はこちらから→骨端線損傷は子供特有の成長軟骨のケガ